キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
ある病室でのひとコマ。
(その通りだよ、お腹減ったよ)
血液ガス分析のデータを見ている最中、担当している医師との会話でこのようなやりとりがありました。
今回は酸素化能の評価のひとつである「CaO2」についてご紹介します。
こんな方にオススメです。
ではでは、今回もはりきっていきましょう!
コチラもチェック!
ここで記載している事項は、あくまでひとつの参考にして頂けると幸いです。
この記事によって起きた事故等におきましては、一切の責任を負いかねます。
CaO2ってなんだ?特徴は?
それではCaO2について見ていきましょう。
SaO2・HbとPaO2の和。
一番の特徴として以下のことが挙げられます。
特徴
- 動脈血液中の酸素含量
- Hbに結合する酸素と血漿中に溶解する酸素の和
キーワードは、「動脈血液中の酸素含量」が大いに関係するようです。
ここでHbの役割について見ていきましょう。
ヘモグロビン(hemoglobin)とは、ヒトを含む全ての脊椎動物や一部のその他の動物の血液中に見られる赤血球の中に存在するタンパク質である。酸素分子と結合する性質を持ち、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている。
※Wikipediaより引用
Hbは抹消へ酸素を運ぶ役割を担っています。
例えSaO2やPaO2の値が高くても、肝心の運搬するHbが少ないと酸素化が十分とは言い切れません。
Hbを用いて酸素化の指標を評価するのが「CaO2」です。
コチラもチェック!
CaO2を計算してみよう
この項では、実際にCaO2の計算をしてみましょう。
それでは、例題を見ていきましょう。
問題1
あなたの血液ガス分析と採血をしました。
結果は以下の通り。
- pH:7.45
- PaO2:100mmHg
- PaCO2:35mmHg
- SaO2:98%
- Hb:15g/dL
CaO2はどれだけでしょうか?
ここで、サクッとCaO2の計算方法について見ていきましょう。
この計算式でCaO2を計算します。
CaO2=1.34×Hb×SaO2+0.0031×PaO2=1.34×15×0.98+0.0031×100=19.698+0.31≒20mL/dL
CaO2の基準値はおよそ16-22mL/dLとされています。
では、次の問題を見ていきましょう。
問題2
ある方の血液ガス分析と採血をしました。
結果は以下の通り。
- pH:7.45
- PaO2:100mmHg
- PaCO2:35mmHg
- SaO2:98%
- Hb:8g/dL
CaO2はどれだけでしょうか?
CaO2=1.34×Hb×SaO2+0.0031×PaO2=1.34×8×0.98+0.0031×100=10.5056+0.31≒11mL/dL
CaO2はHbに結合する酸素と血漿中に溶解する酸素の和でしたね。
これまで計算していると気付くのが、どうやらCaO2は「Hbに結合する酸素」が非常に重要な鍵となるということです。
要チェック!
問題3
問題2の方に酸素療法を開始し始めました
血液ガス分析と採血の結果は以下の通り。
- pH:7.45
- PaO2:300mmHg
- PaCO2:35mmHg
- SaO2:100%
- Hb:8g/dL
CaO2はどれだけでしょうか?
CaO2=1.34×Hb×SaO2+0.0031×PaO2=1.34×8×1+0.0031×300=10.72+0.93≒12mL/dL
Hbが低いと、酸素を付加したとしても、息苦しさなどの呼吸困難感を訴える場合があります。
HbやCaO2にも注視していきたいですね。
これでCaO2の計算・見方ができるようになりましたね。
要チェック!
SpO2とSaO2の違い
それぞれを英語で見ていくと、違いがわかりやすいかと思います。
S:saturation
p:percutaneous
O2:oxygen
SpO2:percutaneous oxygen saturation
(めもめも)
S:saturation
a:arterial
O2:oxygen
SaO2:arterial oxygen saturation
(めもめも)
簡単に考えると、以下のような違いがあります。
- SpO2:パルスオキシメーターで測定した動脈血酸素飽和度
- SaO2:血液ガス分析で測定した動脈血酸素飽和度
パルスオキシメーターを使用する際の注意点はいくつかあります。
下の記事で確認していきましょう。
要チェック!
最後に
今回は酸素化能の評価のひとつの「CaO2」についてお話しました。
いくらSpO2やPaO2が高くても、運搬するHbが低いと息切れなどの呼吸困難感を感じる理由がわかりました。
計算自体は簡単なので、ぜひ現場で使用して役に立てたいところですね。
要チェック!
ぜひ参考にしてください。
ではでは、またいつか逢う日まで…。
コメントを残す