キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
今回は臨床工学技士と縁の深いNPPVのお話。
それも、臨床でよく使われる「NPPVの基礎」となるモードのお話です。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
こういう方のために、現役の臨床工学技士ができるだけわかりやすくお伝えしようかと思います。
NPPVのモードの基礎であるS/Tモードについてお話します。
ではでは、今回もはりきっていきましょう!
NPPVの基礎はコチラ!
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/05/NPPVの基礎-160x92.jpg)
ここで記載している事項は、あくまでひとつの参考にして頂けると幸いです。
この記事によって起きた事故等におきましては、一切の責任を負いかねます。
S/Tモードの特徴
それではS/Tモードについて見ていきましょう。
設定した圧や呼吸回数などを規定して換気を補助する様式。
自発呼吸があると設定した圧により呼吸のサポートを行い、自発呼吸がないと設定した呼吸回数で、設定した圧・吸気時間を換気をする
一番の特徴として以下のことが挙げられます。
特徴
- 圧を規定する
- 自発呼吸があると設定した圧により呼吸のサポートを行い、自発呼吸がないと設定した呼吸回数で、設定した圧・吸気時間を換気をする
キーワードは、「自発呼吸があると呼吸のサポートを行い、自発呼吸がないと強制換気をする」が大いに関係するようです。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
コチラもオススメ!
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/05/NPPVマスクフィッテイング-160x92.jpg)
S/Tモードの波形・ポイント
自発呼吸があると呼吸のサポートを行い、自発呼吸がないと強制換気をするとされるS/Tモード。
では、一体どのような波形になるのでしょうか?
S/Tモードの波形はコチラ。
自発呼吸があれば換気のサポートを行い、なければ強制換気を行います。
(SモードとTモードとを組み合わせた動作をします。)
また、このモードのポイントとして以下のことが挙げられます。
ポイント
- 自発呼吸があればSモードとして動く
- 自発呼吸がなければTモードとして動く
「自発呼吸がなければ」というのは、機械が自発呼吸を感知出来ない場合にTモードに切り替わるということです。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
ある一定時間を超えて自発呼吸を認識しなかった場合、吸気時間が固定のバックアップ換気を行う。(Tモード)
コチラもチェック!
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2019/01/NPPVの基本Sモードってなんだ?-160x92.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2019/01/NPPVのモードの基本|Tモードの特徴や適応を知る-160x92.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
要チェック!
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/05/NPPVの基礎-160x92.jpg)
S/Tモードの適応・効果
では、S/Tモードはどのような病態が適応と考えられるのでしょうか。
適応
- 呼吸筋疲労
- 閉塞性換気障害
- 拘束性換気障害
などなど、換気不全を伴う呼吸不全などでS/Tモードがふさわしいと考えられます。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
要チェック!
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2019/01/NPPVの基本Sモードってなんだ?-160x92.jpg)
また、このモードは設定次第で顔が変わるモードなのです。
チェック
- 呼吸回数によりモードの主体性が変わる
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
バックアップ回数が少ない:Sモード寄り
バックアップ回数が多い:Tモード寄り
設定によって、SとTとどちらの意味合いが強いものになるかが変わります。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
S/TモードとSIMV・PCVとの違い
よく勉強会で聞かれるこの質問。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/12/kid_job_girl_kangoshi.png)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/12/kid_job_girl_kangoshi.png)
確かに、よく似ていますよね。
結論から言うと、どちらも「似て非なるもの」になります。
違いを見ていく前に、SIMVとPCVの復習をしてから続きを見た方がわかるかも?!
復習はコチラ!
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/人工呼吸器のモード基礎!PCV(従圧式換気)を考える-160x92.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/mode-PCV-160x92.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
自発呼吸がない場合
S/Tモード:強制換気
SIMV・PCV:強制換気
この動きは同じですね。
ここからわかりやすく、S/Tモードとは違う点を「PCV」を中心に見ていきます。
自発呼吸がある場合はどのような動きになるのでしょうか。
自発呼吸がある場合
S/Tモード:吸気時間中に自由に呼気へ移行できる
PCV:吸気時間中に自由に呼気へ移行できない
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
SIMVもほぼ同じですが、設定呼吸回数を上回った場合、自発呼吸(またはPSV)で動作するので、上記とは若干違います。
コチラもチェック!
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/CPAPとPSV-160x92.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
しかし、PCVでは設定された吸気時間で全て換気されるんだ。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
それぞれ、非常に細かい点が違います。
しかし、その細かな違いだけで、実際にNPPVを使用する方への感じ方は全く違うものとなる可能性があるわけです。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/11/catteacher.jpeg)
最後に
今回は「S/Tモードの特徴・適応」などについてお話しました。
NPPVにおいて、一般的で多用されているモードのひとつだと考えられます。
特徴や適応などを熟知して、使用していきたいですね。
余談ですが、私がNPPVを初めて使用した時、S/Tの「 / 」をどのように呼べばいいのかわからず、とりあえず「パー」と呼んでいました(笑)。
いい思い出です。
要チェック!
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2019/02/forevefragrance.com-1-160x92.png)
ぜひ参考にしてください。
ではでは、またいつか逢う日まで…。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
コメントを残す