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人工呼吸器のモードの基礎!SIMV(同期式間欠的強制換気)のメリット・デメリットを考える

キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。

 

今回も臨床工学技士と縁の深い人工呼吸器のお話。

それも、臨床でよく使われる「人工呼吸器の基礎の基礎」となるモードのお話です。

すいる

えすあいえむぶい?

すいる

強制換気?自発呼吸?うーん、わからん。

こういう方のために、現役の臨床工学技士ができるだけわかりやすくお伝えしようかと思います。

 

基礎の基礎であるSIMV:同期的間欠的強制換気についてお話します。

ではでは、今回もはりきっていきましょう!

 

人工呼吸器のモード・VCV/PCVについておさらいしてみませんか?

人工呼吸器のモードの基礎!VCV(従量式換気)のメリット・デメリットを考える 人工呼吸器のモードの基礎!PCV(従圧式換気)のメリット・デメリットを考える 人工呼吸器のモードの基礎!CPAP(持続的気道陽圧)とPSV(圧支持換気)のメリット・デメリットを考える

 

注意

ここで記載している事項は、あくまでひとつの参考にして頂けると幸いです。

この記事によって起きた事故等におきましては、一切の責任を負いかねます。

SIMV:同期的間欠的強制換気の特徴

 

それではSIMVについて見ていきましょう。

SIMVとは
英::synchronized intermittent mandatory ventilatio
設定した回数だけ自発呼吸に同期して強制換気を間欠的に行う換気様式。
自発呼吸を残しながら強制換気を行うことができるので、weaningにもよく使われ、設定次第でweaningへの移行を段階的に行える。

 

一番の特徴として以下のことが挙げられます。

特徴

自発呼吸に合わせて、強制換気を設定回数分だけ送る。自発呼吸がなければ強制換気を行うが、1分間10回という設定にすれば、それ以上の強制換気は行わない。

SIMVの強制換気は、量規定と圧規定のどちらかで設定する。量規定の場合は VC-SIMV、圧規定の場合はPC-SIMVと呼ばれる

出典元:野口裕幸 他 ナース専科呼吸ケア.2012年12月増刊号

 

キーワードは、何度も言いますが「強制換気」「自発呼吸」が大いに関係するようです。

SIMVのメリット

 

自発呼吸に同期させ、強制換気を間欠的に行うことができるSIMV。

 

メリット

  • 血行動態が正常であれば「循環」への影響が少ない。
  • 自発呼吸を残しながら、強制換気の回数を設定できる。

 

SIMVの名前の通り、シンクロしやすい・同期しやすい?!

SIMVのデメリット

 

物事にはイイことばかりでなく、悪いこともある。

SIMVにも当然デメリットはあります。

 

デメリット

  • モードによって呼吸仕事量が増加する場合がある。
  • 患者は次に吸う換気様式か予測できない。

 

SIMV(+PS)の場合、強制換気と自発呼吸(PS)が入り混じり、患者さんは次にどちらの換気様式がくるのか予想しにくい。

 

PSVについては下記の記事からどうぞ。

人工呼吸器のモードの基礎!CPAP(持続的気道陽圧)とPSV(圧支持換気)のメリット・デメリットを考える

 

イメージ的には2種類の換気様式があるため、人工呼吸器使用の最低限の目的である「呼吸仕事量の軽減」を達成できない可能性があります。

自発呼吸がSIMV回数を上回っている場合は?

 

自発呼吸がない・少ない場合は、ほぼ強制換気になりますね。

ただし、自発呼吸が設定した呼吸回数を超えている場合は、どのような換気の仕方になるのでしょうか?

すいる

ここがいつもわからん…。
簡単に説明してみようか。

ねこ

設定呼吸回数で時間を割ると、何秒間に1回強制換気をするかどうかがわかります。

例)

60(秒)÷12(回)=5(秒/回)

設定呼吸回数:12回

設定呼吸回数が12回だと、5秒に1回強制換気が入るということになります。

その5秒間の前後に「トリガーウインド」という、自発呼吸の感知をするトリガーが有効になる範囲があります。

トリガーウインド中に呼吸をすると、自発呼吸の感知をし強制換気もしくは自発呼吸(補助)ができるわけです。

トリガーウインド以外の時間帯では換気の補助は行わないか、PSをかけるかのどちらかです。

すいる

トリガーウインドか!覚えておこう!
MEMO
機種により多少の違いがありますのでご注意を!

 

キーワード

  • トリガーウインド

SIMV使ってる?他施設の動向は?

 

実は、個人的に「SIMV」を積極的には使用していないorオススメはしていません。

臨床工学技士は、基本的に医師の指示のもと生命維持管理装置の操作を行っていますので、医師の判断によるところが大きいかと思います。

しかし、臨床工学技士としてそれぞれのメリット・デメリットを把握して、医師や看護師、その他のスタッフに助言していきたいと考えています。

すいる

SIMVよりこっちのモードを使いませんか?

では、他施設では「SIMV」をどのように使用しているのでしょうか?

このtweetに対してリアクションがありました。

この場をお借りして感謝したいと思います。

すいる

ありがとうございます!

施設により、SIMVを使用している・使用していないといった意見が!

興味深いtweetだな。

ねこ

私の記憶では、一昔前までは人工呼吸器を使用するとなったら、とりあえず「SIMV(+PS)」といった流れがありました。

では、なぜこのような流れになったのでしょうか?

すいる

なぜだろう?

SIMVの使用が減ってきている理由

 

全国規模、世界規模で私自身が調査しているわけではないのですが、体感的に周りの施設においてSIMVの使用が減ってきているように感じます。

 

SIMVが使われなくなっている理由について、ひとつずつ私見を交えつつ見ていきたいと思います。

モードによって呼吸仕事量が増加する場合がある

 

「デメリット」の項で少し触れました。

少し詳しく見ていきますね。

こちらの図は「A/C」で換気している波形になります。

A/Cとは
英::Assist/Control
設定した回数だけ自発呼吸に同期して強制換気を行う換気様式。
設定呼吸回数以上の自発呼吸がある場合、自発呼吸にトリガーして設定一回換気量が送気される。

 

そしてこちらは、臨床の場でよく見られる「SIMV(+PS)」の波形となります。

 

PSVについては下記の記事からどうぞ。

人工呼吸器のモードの基礎!CPAP(持続的気道陽圧)とPSV(圧支持換気)のメリット・デメリットを考える

 

何が違うのかと言うと「自発呼吸」の部分。

A/C
  1. 自発呼吸がない:設定された1回換気量が入る
  2. 自発呼吸がある:設定された1回換気量が入る

 

SIMV(+PS)
  1. 自発呼吸がない:設定された1回換気量が入る
  2. 自発呼吸がある:呼吸器は送気せず自発呼吸(もしくはPS)が入る

 

自発呼吸がない場合は設定された換気量が入りますが、自発呼吸がある場合の動き方がそれぞれ違います。

すいる

モードによって、動き方が違うんだなー。

強制換気と自発呼吸(もしくはPS)の設定が煩雑になりがちになるのもポイントですね。

重症患者に対してSIMVを用いることは, 「設定換気回数は人工呼吸器で換気してあげるけど,残りの回数は自分でがんばってね-」であり 「呼吸パターンがコロコロかわるけど, その試練にも耐えてね-」です.

出典元:小野口邦彦 ER・ICU診療を深める①救急・集中治療医の頭の中ver.2

想像して見てください。

すいる

疲れそう。

weaningが遅れるかも?!

 

人工呼吸器を使用する瞬間から、普通は抜管を考えていきます。

では、SIMVではどのような方法でweaningを実施していくのでしょうか?

 

weaningとは
参考 ウィーニングとは?方法や自発呼吸トライアル(SBT)などナース専科plus

 

weaningを検討した場合、以下のように設定を変更していくかと思います。

 

SIMVの換気回数を減らしていく

 

SIMVの換気回数を減らしていく方法が現在主流であり、今も採用する病院が多いかと思います。

しかし、この方法により呼吸筋疲労を招きweaningの失敗率が上昇するとの報告が!

すいる

えっ!?ホントに?

また、SIMVよりPSVの方が離脱までの期間は短かったという結果もあるようです。

こういうことから、SIMVをあまり使用しない風潮に変わってきたのではないでしょうか。

すいる

抜管が遅れるというのは困りものだなー。

SIMVを使用するタイミングは?

 

SIMVのことを少しでもわかっていただけたでしょうか。

すいる

うーん、なんとなく。

SIMVというモードって、なかなか理解しにくモードですからね。

 

では、再び本題に入りましてSIMVはどんな時に使用されるのでしょうか?

すいる

え…(ワカラン)。

こんなシチュエーションの時に使用する場合もあるようです。

 

ポイント

  • CPAPにモード変更したが夜間のバックアップ目的に使用する
  • 鎮静剤のボーラス投与などで一時的に自発呼吸が消失する
  • 自発呼吸が不規則で無呼吸アラームが頻回に鳴る

 

いろいろな使い方が考えられると思います。

第一に、呼吸器につながっている患者さんのことを最優先にし、自施設の考えなどとと照らし合わせながら最適なモードを提案していきたいですね。

すいる

それぞれのモードの特性を考えながら提案しなくちゃ!

最後に

 

今回は「SIMVのメリット・デメリット」についてお話しました。

SIMVは、なかなか難しいモードだと個人的に感じています。

それでも、目の前に使用する・せざるを得ない方がいるのならば、全力でそれを理解して施行していきたいと考えます。

 

人工呼吸器のモードを、それぞれ振り返ってみましょう。

人工呼吸器のモードの基礎!VCV(従量式換気)のメリット・デメリットを考える 人工呼吸器のモードの基礎!PCV(従圧式換気)のメリット・デメリットを考える 人工呼吸器のモードの基礎!CPAP(持続的気道陽圧)とPSV(圧支持換気)のメリット・デメリットを考える

 

ぜひ参考にしてください。

 

ではでは、またいつか逢う日まで…。

すいる

キカイガキライでした。バイ!

 

【参考文献】

1)野口裕幸 他 ナース専科呼吸ケア.2012年12月増刊号

2)小野口邦彦 ER・ICU診療を深める①救急・集中治療医の頭の中ver.2

3)Brochard L, et al. Comparison of three methods of gradual withdrawal from ventilatory support during weaning from mechanical ventilation. Am J Respir Crit Care Med 1994;150(4):896-903.

4)大塚将秀 人工呼吸のウィーニング ースムーズで安全な呼吸管理をめざしてー

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