キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
よく臨床現場に行くと、パルスオキシメータを使用している状況でこんな光景を目にします。
パルスオキシメータを装着している指が
テープで強くぐるぐる巻き
皆さんも一度は見たことがあるはず。または、やったことがあるはず。
コレ結論から言うと、やっちゃあイケナイこと。
なんでかって?
パルスオキシメータの役割
では、ひとつずつ見ていきましょう。
そもそもパルスオキシメータの役割とは何なのでしょうか?
これは皆さんご存知でしょうね。
よく臨床の現場では、急性期から慢性期まで、幅広く使用されている機器になります。
患者のバイタルを測定する上で、現在の医療において必要不可欠なものになりました。
このパルスオキシメータを用いることで
- 低酸素血症の早期発見
- 予防を期待できる
測定原理
次はパルスオキシメータの原理を説明していきます。
皮膚を通して動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置です。赤い光の出る装置(プローブ)を指にはさむことで測定します。
※日本呼吸器学会から引用
パルスオキシメータには、「発光部」と「受光部」があります。
ここから出る赤い光により、動脈血酸素飽和度を計算しています。
酸素飽和度(SpO2)とは、心臓から全身に運ばれる血液(動脈血)の中を流れている赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているか、皮膚を通して(経皮的に)調べた値です。プローブにある受光部センサーが、拍動する動脈の血流を検知し、光の吸収値からSpO2を計算し表示します。
※日本呼吸器学会から引用
ここで重要なポイントとして
プローブにある受光部センサーが、拍動する動脈血の血流を感知している。
「拍動する」が重要になってきます。
なぜこれが重要になってくるのか、次を見ていきましょう。
使用時の注意点
パルスオキシメータの注意点として以下のことが挙げられます。
環境による要因
- 周囲の光(照明灯、蛍光灯、赤外線加熱ランプ、直射日光など)が強すぎるとき。
- 他の電子機器からの電磁影響を受けているとき
(電気メスなどの医療機器やテレビなどの電化製品の近くで使用しているとき)。- 機器のすぐ近くでFM送信機等の無線機器を使用したとき。
- 測定部位が血流循環不足(腕や指への圧迫、末梢循環不全)や鬱血しているとき。
- 血圧計を本器と同じ腕に装着しているとき。
※コニカミノルタHPから引用
パルスオキシメータは簡単に使用できるので、何も考えずに値だけ見てしまっていることが多い傾向にあります。
特に、抹消循環不全や血圧計測定時などによってSpO2の値が「測定できない」又は「低すぎる」ということは、臨床の現場でよく経験することではないでしょうか?
先ほどの測定原理の項にて重要だと挙げたポイント
これが抹消循環不全などによって、十分に拍動を感知出来ない時、パルスオキシメータは酸素飽和度を計算出来なく(おかしく)なってしまいます。
除細動器を使用する前の注意点はコチラから。
現役MEが教える!除細動器を使用する前に知っておくべき大切なことテープで固定する
では、冒頭でお話した
「パルスオキシメータ装着部の指にテープでぐるぐる巻きにしている」
そもそも、なぜパルスオキシメータ装着部にテープをぐるぐる巻きにする必要があるのか?
ディスポタイプのプローブで、よく以下のシチュエーションがあるかと思います。
こういう時に、テープでぐるぐる巻きにしていることが多いかと思います。
その他に、ディスポタイプのプロープを装着する際に、粘着面をきつく指に巻きつける。
これによって「テープを強く巻きすぎる」行為が発生しがちになるんです。
出来れば、テープで巻かないでください。
粘着力が低下している場合は交換をおすすめします!
強く巻くことでどうなるのか?
テープで強く巻くとどうなるのか?
もうわかりますよね?
拍動が無くなる
そうなんです。
指先がうっ血して拍動が無くなってしまうんです。
これにより、パルスオキシメータのセンサ部でうまく計算が出来ず、値がおかしい(出ない)ことにつながるんです。
これがわかると、テープで強くぐるぐる巻きにするのは控えようと思いません?
また、値がおかしくなる以外にも、強くテープで固定することで下記の事象が起こる可能性もあります。
注意
- 火傷
- 褥瘡
- かぶれ
常に装着しているものですからね。これらが発生するかもしれないという知識を併せ持つのは必要です。
デイスポのプローブの交換時期は?
よく質問される事項があります。
「プローブの交換時期っていつなんですか?」と、よく問い合わせがあります。
では、当院ではどうしているのか。
ポイント
- 粘着力の低下
- 外観の汚染・破損
- 値の信ぴょう性が無い
これらのことが挙げられた時に、交換を推奨しています。
詳細な交換時期は、現在使用されているメーカの添付文書などにより把握して頂きたいです。
最後に
今回は「パルスオキシメータの装着具合」についてお話しました。
よく臨床でありがちな事象ですけど、ついやってしまいガチ。
危険性を理解し、患者と向き合うことで、今より違う見方が出てくるかもですよ。
観察する際指先をちょっと見て、褥瘡や火傷を防いでいきましょう!
医療を提供して、ケガを負わせたら意味ないですもんね。
要チェック!
ではでは、またいつか逢う日まで…。
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