キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
この記事では、人工呼吸器のグラフィックモニターについてサラッと学んでいきます。
今回は、人工呼吸器のモードの基礎である異常波形のひとつ「気道分泌物貯留の貯留」についてご紹介します。
人工呼吸器のモード基礎はコチラ!
人工呼吸器を使用している際にこんな波形が出たらどう対処すべきか。
今回はそんなお話。
ここで記載している事項は、あくまでひとつの参考にして頂けると幸いです。
この記事によって起きた事故等におきましては、一切の責任を負いかねます。
異常波形を発見
コチラの波形を見てもらいましょう。
要チェック!
では、次にコチラの波形を見てもらいましょう。
こちらの波形はVCVのフロー波形になります。
正常ですか?異常ですか?考えてみましょう。
この波形は、〇で囲った部分である呼気のところがギザギザした波形になっています。
このような波形を確認したら、気道分泌物の貯留を疑いましょう。
気道抵抗の計算方法は下の記事で復習しましょう。
要チェック!
気管吸引の目的と得られる効果
この波形を確認したならば、「気管吸引」をしていきましょう。
ここで、気管吸引をする目的について復習していきたいと思います。
目的を理解せず、目の前の患者さんがゴロゴロ痰が溜まっているからと、気管吸引するというのは間違いではありませんが、本質はどこに行った?ということになりかねません。
気管吸引の目的は、気道の開放性を維持・改善することにより、呼吸仕事量(努力呼吸)や呼吸困難感を軽減すること、肺胞でのガス交換能を維持・改善することである。
※気管吸引ガイドライン2013より引用
気管吸引をすることで、以下のような効果が考えられます。
効果
- 無気肺
- 呼吸仕事量の改善
- 呼吸困難感の軽減
- 気道の開存
- ガス交換能の改善
- 肺炎予防
- 窒息予防
などが考えられます。
グラフィックモニターはどこまで万能か?
グラフィックモニターで、気管吸引をすべき波形があることを学びました。
ここで、私が聞かれたある質問について触れたいと思います。
質問内容はこのような内容でした。
確かに、現場で日常から気管吸引されている方にとって、この情報があるかないかは大きな問題。
でも、答えは
わかりません
グラフィックモニターもそこまで万能ではありません。
ここは基本に立ち返り、聴診器を使い気道分泌物を確認していきましょう。
臨床工学技士も気管吸引が可能
ここで、臨床工学技士の業務について振り返ってみましょう。
平成22年5月に、「臨床工学技士による人工呼吸器使用時の痰等の吸引及び動脈留置カテーテル
からの採血の実施について(周知のお願い)」のお達しがありました。
上記で記載されているものの中に、今回の記事の内容と関係しているのがコチラです。
人工呼吸装置の使用時の吸引による喀痰等の除去
※臨床工学技士基本業務指針2010より引用
コチラは臨床工学技士基本業務指針2010にも記載されています。
そうなんです。
臨床工学技士は気管吸引が出来るんです。
ではなくて、臨床工学技士も気管吸引が出来るのです。
あなたの施設では気管吸引を臨床工学技士がされていますか?
ぜひとも、臨床工学技士の業務として実施していきましょう!
最後に
今回はグラフィックモニターの基礎として、「気道分泌物の貯留」についてお話しました。
今回学んだグラフィックモニターの変化を活用して、気管吸引を適切に行えることが出来れば良いですね。
また、関連深い話題として「人工呼吸関連肺炎:VAP」があります。
VAPの発生リスクは多くの因子が絡み合っていますが、気管チューブのカフ部での気道分泌物の垂れ込みがひとつの要因となります。
気管吸引ガイドラインなど、各施設にある気管吸引マニュアルなどを熟知し安全安心に気管吸引していきましょう。
要チェック!
ぜひ参考にしてください。
ではでは、またいつか逢う日まで…。
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