キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
睡眠時無呼吸症候群の治療法のひとつに、CPAP療法があります。
今回は、CPAP装置への不安を感じているスタッフのために、現役の臨床工学技士がCPAP装置の押さえるべきポイント5つをお伝えします。
ではでは、今回もはりきっていきましょう!
NPPVの基礎はコチラ!
ここで記載している事項は、あくまでひとつの参考にして頂けると幸いです。
この記事によって起きた事故等におきましては、一切の責任を負いかねます。
CPAP療法の特徴
それではCPAP療法について見ていきましょう。
自発呼吸に陽圧(PEEP)をかけ、睡眠中の無呼吸を防ぐために気道を開存させる治療法。
(経鼻的)持続陽圧呼吸療法と呼ばれ、睡眠時無呼吸症候群に対しての治療方法のひとつ。
PEEPの復習はコチラから。
コチラもチェック!
一番の特徴として以下のことが挙げられます。
特徴
- 気道内圧を一定に保つ
- 上気道に陽圧をかけ気道を広げる
- 睡眠中の無呼吸を防ぐ
キーワードは、「睡眠中の無呼吸を防ぐ」が大いに関係するようです。
人工呼吸器やNPPVの「CPAP」について復習してみましょう。
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睡眠時無呼吸症候群|CPAPの適応
では、睡眠時無呼吸症候群に対してCPAP療法を始めるにあたっての、開始基準を診療報酬とともに見ていきましょう。
以下の(イ)から(ハ)までの全ての基準に該当する患者。ただし、無呼吸低呼吸指数 が 40 以上である患者については、(ロ)の要件を満たせば対象患者となる。
(イ) 無呼吸低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸数及び低呼吸数をいう。)が 20 以上
(ロ) 日中の傾眠、起床時の頭痛などの自覚症状が強く、日常生活に支障を来している症例
(ハ) 睡眠ポリグラフィー上、頻回の睡眠時無呼吸が原因で、睡眠の分断化、深睡眠 が著しく減少又は欠如し、持続陽圧呼吸療法により睡眠ポリグラフィー上、睡眠 の分断が消失、深睡眠が出現し、睡眠段階が正常化する症例
※C107-2 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料より引用
この睡眠時無呼吸症候群に対して、睡眠中の無呼吸を防ぐためにCPAP装置を使用していきます。
CPAP装置|確認・留意すべきポイント
では、ここでCPAP装置を扱っていく上で、確認・留意すべきポイントを見ていきましょう。
どんな点に注意していけばいいでしょうか?
では、ひとつずつポイントを見ていきましょう。
機械本体と回路が正確に組み立てられているか?
在宅で使用されることを前提に考えられているCPAP装置。
大きく分けて、以下の構成になります。
- CPAP装置本体
- 回路
- マスク
基本中の基本ですが、非常に大切です。
もし、少しでも不安に思うことがあるのならば、院内に常駐している臨床工学技士かメーカーの方に聞いてみましょう。
マスクフィッティングは確実に!
実際に機器と回路の組み立てが出来たら、次は一度マスクを顔に当てて「フィッティング」を見てみましょう。
在宅で使用されている方の、普段のフィッティング状況を実際に見ることで、何らかのトラブルなどが無いかを確認します。
- リークが多くないか?
- 汚れ・劣化がないか?
- ベルトの締め付けは強すぎないか?
などなど。
実際に使っている状況を確認し、普段感じている不満などを傾聴してみましょう。
要チェック!
喉の渇きやの有無は?
次に、CPAP装置を使っている際、「喉の渇き」があるのかを確認しましょう。
しかし、CPAP療法のドロップアウトを出来るだけ防ぐために必要なことと考えます。
時として、加温加湿器の使用の検討も視野に入れ、実際に使用後の状況を聞いていきます。
加温加湿器の設置・設定の確認を検討しましょう。
マスクのリークにも関わりますが、喉の渇きが強い場合などの理由で中途覚醒してしまい、CPAPの使用時間が減少してしまう恐れがあります。
就寝中のSpO2の観察
実際に、CPAPを使用している際にSpO2の値が低下しないかを確認します。
SpO2の低下が見られた場合、CPAPの設定圧力が妥当ではない可能性があります。
入院中に限らず、在宅で使用されている間のAHIなどのデータも合わせて見ていくことにより、治療効果の判定につなげていきます。
コチラもチェック!
マスクなどのお手入れ状況の確認
先ほどのマスクフィッティングでも挙がりましたが、マスクの汚れにも目を向けましょう。
などなど。
マスクの他にも、回路や機器本体、加温加湿器など、普段から「お手入れ」が必要なモノがあります。
また、よくこんな状況も聞きます。
入院している最中に、このような「分解したけど戻らない」という指摘を受けた場合は、院内にいる臨床工学技士やメーカーに伝え、組み立て方法などを改めて共有していきましょう。
普段、在宅で感じられている「不満や不都合」な点を、ともに共有し合いより快適な環境を作っていきたいですね。
最後に
今回はCPAP装置の「押さえるべきポイント5つ」についてお話しました。
普段関わることのない医療機器が目の前にあると、とても不安に思いますよね。
その時に、すぐ聞ける「医療機器に精通した」スタッフが身近にいれば、その不安も解消できそうですね。
人工呼吸器のモードなどの基礎はコチラ!
ぜひ参考にしてください。
ではでは、またいつか逢う日まで…。
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