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ネーザルハイフロー療法の基礎を知る-2

キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。

 

前回は、ネーザルハイフローと他の酸素療法デバイスとの違いについてお話しました。

ネーザルハイフロー自身、鼻カニューラで酸素投与を実施しているので、当院でも看護師が気軽に導入出来るシステムとなっています。

しかし、使用しているスタッフ自身が、他の酸素療法との違いをよく知らないで使っているのも事実。

 

すいる

これ、なんの為に使っているんだろう?じゃあ、ダメですよ。

今回はネーザルハイフローは「どんな患者に使うのか?特性上でのメリットは?」ついてお話します。

ネーザルハイフロー療法の基礎を知る-1
注意

ここで記載している事項は、あくまでひとつの参考にして頂けると幸いです。

この記事によって起きた事故等に起きましては、一切の責任は負いかねます。

ネーザルハイフローはどんな患者に使うのか?

 

当院での一般的な導入の目安として、以下が挙げられます。

 

導入の目安
リザーバーマスクで酸素投与を行っても、酸素化が改善しない呼吸不全患者。

 

従来の酸素療法を施行中に、呼吸困難感の増悪や低酸素状態の持続、頻呼吸、呼吸仕事量の増加 (呼吸補助筋の使用など)を認めた場合にも、使用を検討しています。

 

あとは患者が挿管を望むのか、望まないのかという点も非常に重要です。

マスク型の人工呼吸器も拒否感が強い為、やむを得ずネーザルハイフローという場合もあります。

すいる

これはMEとして、腕の見せどころ!

まだまだ新しい治療法にあたる為、エビデンス等がまだ十分に揃っているわけではありません。

当院でもコレ!という適応を定めておらず、とりあえずやってみるかというスタンスが強いです。

どんどんランダム化比較試験を実施して成果について期待したいところ。

 

SpO2のモニタリングはしっかり見ていますか?

SpO2 100%の意味を考えてみましょう。

過剰な酸素投与してませんか?SpO2100%の意味を考えてみる

ネーザルハイフローのメリット

 

ネーザルハイフローを使用する上でのメリットについて触れていきます。

メリットとして、以下の事柄が挙げられます。

 

メリット

  • 呼吸困難感の改善
  • 呼吸仕事量の軽減
  • 呼吸に関する解剖学的死腔の洗い出し効果
  • 鼻・咽頭抵抗の減少
  • 十分な加湿による気道分泌物除去効果
  • PEEP様効果
  • 肺胞換気量の増大

 

などなど。

すいる

こう見ると、メリットが結構ありますね。

では、主なメリットについて詳しく見ていきましょう。

呼吸仕事量の軽減

 

ポイント
ネーザルハイフローの流速が患者の吸気より速いため、呼気仕事量が軽減されます。狭い鼻腔に、高流量のエアーを流入させるので「患者の呼吸を押し込む」ことになります。

 

呼吸仕事量の軽減から呼吸困難感の軽減につながります。

解剖学的死腔の洗い流し効果

 

ポイント
30L/minから60mL/minの速さで、エアーを鼻の中に押し込みます。吸気時だけでなく、呼気時にもエアーが押し込まれ、新鮮なエアーで鼻咽頭内を洗い流しします(ウオッシュアウト効果)。

 

呼気の再吸入も減少する為、CO2の排出にも効果的です。

「鼻腔に貯留するCO2を洗い流し死腔量が減少する」 と表現されます。

約50mLの死腔を洗い流されるとも言われています。

 

死腔とは

解剖学的死腔と生理学的死腔に(全死腔)に分類され、解剖学的死腔は呼吸器系の全容積から肺胞容積を引いたもの、生理学的死腔は吸息したが、気道や肺胞でガス交換されない量を示す。

※Wikipediaから引用

 

式にすると「分時肺胞換気量=(1回換気量一死腔量) ×呼吸回数」で表されます。

解剖学的死腔は150mL程度あるとされています。

その中の50mLを洗い流すのであれば、分時肺胞換気量を上昇させられることに期待できます。

これにより、メリットのひとつである「肺胞換気量の増大」にも繋がります。

PEEP様効果

 

PEEP様効果とは

呼気終末において、気道内圧を陽圧に保つことにより、肺胞の虚脱を防ぐことで、呼吸仕事量の軽減や機能的残気量の増加などを期待する効果。

ポイント
PEEP様効果により、吸気の開始をスムーズにして呼吸仕事量を軽減することが期待できます。

ただし、これには注意が必要です。なぜ、これに「PEEP効果」と記載しないのかという点です。

ネーザルハイフローから、30-60mL/minの速いエアーが入ることで、確かに呼気時にはPEEPの様な効果が期待できます。

先に触れた「患者の呼吸を押し込む」ので、呼気が吐き出しにくく、呼気時間の延長になるのでPEEPに似た状況になると考えられます。

 

しかし、PPEPがかかると言えるのは、あくまで気道内圧の話です。

ネーザルハイフローは鼻から酸素を吸うので、気道内圧を測定するのは容易なことではありません。実際に、どれだけのPEEPがかかるのか、測定は困難かと思います。

結構、使用していたら口を開けたりするので、そんな状況下ではなかなか「PEEPです」とは言えない…。

 

ネーザルハイフローの限界が来たら?

NPPVついて学んでみましょう!

NPPVの基礎!メリット・デメリットを理解する 現役臨床工学技士が教える!NPPVのマスクフィッティングの基本

最後に

 

今回はネーザルハイフローの基本として「どんな患者に使うのか?」「どんなメリットがあるのか?」についてお話しました。

ネーザルハイフロー自身、調べると2010年くらいに登場した比較的新しい療法になります。

まだまだエビデンス等が多くあるわけではく、いろいろな文献を通して、日常の業務に取り入れています。

すいる

医者とあーだこーだ言いながら使ってます(笑)。

私は呼吸困難感があるターミナルの患者に、よくこのネーザルハイフローを勧めています。

ターミナルの患者へはネーザルハイフローのメリットを活かし、呼吸困難感の減少を狙っています。

経鼻で酸素を投与している為、普通の食事が取れるうちは、ネーザルハイフローを装着したまま食事をすることが可能なので、患者のQOLの向上も期待できます。

NPPVや挿管型人工呼吸器ですと、食事は難しいですからね。

また、見た目の問題もあります。リザーバーマスクを使って、いかにも酷そうなのか、経鼻で呼吸困難感を是正して日常を過ごすのか…。家族への配慮もあると思います。

すいる

ターミナル患者への使用は長期になる可能性もあるので、状況を見ながら使用しています。

個人的には、環境等が整備されれば、在宅での使用もアリかなと考えています。

経鼻で過ごすメリットはでかいと思いますし。まあ、クリアすべき問題は散見しますけどね。

 

人工呼吸器のモードについても、サラッと学んでみませんか?

人工呼吸器のモードの基礎!VCV(従量式換気)のメリット・デメリットを考える 人工呼吸器のモードの基礎!PCV(従圧式換気)のメリット・デメリットを考える

 

ではでは、またいつか逢う日まで…。

すいる

キカイガキライでした。バイ!

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