キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
ある病室でのひとコマ。
(適当なことを…)
血液ガス分析のデータを見ている最中、担当している医師との会話でこのようなやりとりがありました。
今回は呼吸療法に必要な計算のひとつである「肺胞換気量」についてご紹介します。
こんな方にオススメです。
ではでは、今回もはりきっていきましょう!
コチラもチェック!
ここで記載している事項は、あくまでひとつの参考にして頂けると幸いです。
この記事によって起きた事故等におきましては、一切の責任を負いかねます。
VAってなんだ?特徴は?
それではVAについて見ていきましょう。
肺胞換気量と肺胞気二酸化炭素分圧は反比例する。
一番の特徴として以下のことが挙げられます。
特徴
- 安静時の二酸化炭素産生量はほぼ一定
- VAの変化はPaCO2の変化を反映する。
キーワードは、「VAの変化はPaCO2の変化を反映する」が大いに関係するようです。
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VAを計算してみよう
この項では、実際にVAの計算をしてみましょう。
それでは、例題を見ていきましょう。
問題1
- 一回換気量(VT):500mL
- 呼吸回数(f):15回・min-1
- 死腔換気量(VD):150mL
VAはどれだけでしょうか?
ここで、サクッとVAの計算方法について見ていきましょう。
この計算式でVAを計算します。
VA=(VT - VD)× f=(500-150)×15=5250mL/min≒5L/min
肺胞換気量VAの基準値はおよそ4-6L/minとされています。
ちなみに、単純に一回換気量と呼吸回数で表される換気量を「分時換気量(1分間あたりの総換気量)」と呼びます。
では、次の問題を見ていきましょう。
問題2
問題1の患者が気管切開され、人工呼吸器とつながっています。
この患者のPaCO2を40mmHgまで低下させるには、分時換気量をいくつにすればいいか?
このとき二酸化炭素の産生量は一定とする。
ここで、サクッと計算方法について見ていきましょう。
ここで、VCO2は二酸化炭素産生量 を表します。
(メモメモ)
先ほどの問題では、二酸化炭素産生量は一定とのことでしたので、以下のような式に変形できます。
つまり、「PaCO2×分時換気量×=(目標とする)PaCO2×(変更後の)分時換気量」で表すことができます。
(変更後の)分時換気量をXとします。
PaCO2×VA=60×5=40×X=40X=300
X=300/40=7.5L/min
キーワードで出て来た、「VAの変化はPaCO2の変化を反映する」は、この肺胞換気式によって導かれます。
VCO2が一定であるならば、PaCO2の測定によりVAの変化を知ることができます。
PaCO2は、まさに「換気の指標」になることが証明されます。
これでVAの計算・見方ができるようになりましたね。
要チェック!
死腔ってなんだ?気道・肺胞の解剖生理
以下に、気道から肺胞までの解剖学生理について記します。
気道ー肺胞
- 口と鼻に始まり、気管から細かく分岐し終末細気管支となる
- 上気道と下気道に分かれる
上気道:鼻・口、咽頭、喉頭まで
下気道:気管から終末細気管支 - 気管から肺胞嚢・肺胞まで23回分岐する
呼吸療法認定士に関して下の記事が参考になります。
コチラもチェック!
気道は細かく分岐し、終末細気管支にいたります。
ただし、この終末細気管支まではガス交換に関与することはありません。
解剖学的死腔:anatomical dead space
体に本来体備わっており、150mL程度あるとされている。
また、終末細気管支の先である「呼吸細気管支から肺胞」までがガス交換に関与します。
最後に
今回は呼吸療法の現場で使用する計算のひとつ「VA」についてお話しました。
換気量とPaCO2は、意外と密接な関係であることがわかりました。
肺胞換気量VAを使用して、人工呼吸器の設定を考慮するのもひとつですね。
要チェック!
ぜひ参考にしてください。
ではでは、またいつか逢う日まで…。
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