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補助循環装置の基礎|バルーンの拡張と収縮のタイミングを知る

キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。

 

休憩室でのひとコマ。

すいる
えーっと、これは?
ねこ先生
どうしたんだ?何を悩んでいるんだ?
すいる
IABPのバルーンを、どういったタイミングで膨らませればいいのかよくわからないんです。
ねこ先生
どれどれ…。

休憩室で勉強している最中、仲の良い医師との会話でこのようなやりとりがありました。

 

今回は補助循環装置のひとつであるIABPの「バルーンの拡張・収縮のタイミング」についてご紹介します。

すいる
バルーンの、膨らませたりしぼませたりするタイミングがわからない!
すいる
波形を見ながら…?

こんな方にオススメです。

 

ではでは、今回もはりきっていきましょう!

 

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補助循環装置の基礎|大動脈バルーンポンピング(IABP)の基本のキホン

 

注意

ここで記載している事項は、あくまでひとつの参考にして頂けると幸いです。

この記事によって起きた事故等におきましては、一切の責任を負いかねます。

心臓とバルーンとの拡張・収縮のタイミング

 

この項では、IABPの適切なバルーンのタイミングについて復習していきます。

 

すいる
心臓がどういった時にバルーンは膨らむの?
ねこ先生
それはだな…。

「タイミング」については、前回の記事を復習してみましょう。

 

以下に、心臓とバルーンの拡張・収縮するタイミングをそれぞれ記していきます。

 

バルーンが拡張するタイミング

 

風船が膨らむ

ねこ先生
バルーンが拡張するタイミングは、心臓が膨らんだ時つまり「拡張期」にバルーンが膨らむんだ。

 

心臓の拡張⇔バルーンの拡張

 

バルーンが収縮するタイミング

 

風船がしぼむ

ねこ先生
バルーンが収縮するタイミングは、心臓がしぼんだ時つまり「収縮期」にバルーンがしぼむんだ。

 

心臓の収縮⇔バルーンの収縮

 

すいる
心臓の拡張と収縮のタイミングに合わせて、バルーンも膨らんだりしぼんだりしているんですね!
ねこ先生
次は、これを動脈圧波形と合わせて見ていこう。

 

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臨床工学技士はどこまで出来る?!心カテにおける業務範囲についての検討

拡張|動脈圧波形で見るタイミング

 

それでは、実際にバルーンを拡張・膨らませるタイミングについて見ていきます。

すいる
心臓が拡張するタイミングでバルーンが膨らむんでしたよね!

では、動脈圧波形がどのような時に、バルーンを拡張させるのかを見ていきましょう。

IABPの拡張するタイミング

ねこ先生
丸で囲った動脈圧波形の部分で、バルーンを拡張させるんだ。

 

MEMO
バルーンを拡張させるのは「ディクロティック・ノッチ」と呼ばれるポイントで膨らませます。
ディクロティック・ノッチは大動脈弁の閉鎖直後を示します。

 

ねこ先生
ディクロティック・ノッチの部分でバルーンが拡張できるようにタイミングを調整だ!
すいる
なるほど…(メモメモ)。

収縮|動脈圧波形で見るタイミング

 

それでは、実際にバルーンを収縮・しぼませるタイミングについて見ていきます。

すいる
心臓が収縮するタイミングでバルーンがしぼむんでしたよね!

では、動脈圧波形がどのような時に、バルーンを収縮させるのかを見ていきましょう。

IABPの収縮のタイミング

ねこ先生
丸で囲ったタイミングで、バルーンを収縮させるんだ。

 

MEMO
動脈圧の拡張末期圧が最低であるタイミングでバルーンしぼませます。
心臓の駆出直前に収縮させます。

 

ねこ先生
拡張末期の部分で、バルーンが収縮できるようにタイミングを調整だ!
すいる
なるほど…(メモメモ)。

拡張・収縮するタイミングは正しい?

 

この項で、実際の波形を見て、拡張・収縮のタイミングが適切なのか判断していきましょう。

すいる
うーん、わかるかなぁ?
ねこ先生
練習あるのみ!

 

問題1

 

バルーンの拡張および収縮のタイミングは適切でしょうか?

IABPの波形は正しいか

すいる
うーん、全然わからない…。ちゃんと、ディクロティック・ノッチで拡張してるし。
ねこ先生
本当にそうかな?よーく見てみよう。

バルーン波形の解説

すいる
あ!?ちょっとだけタイミングがずれてる!

この問題は「バルーンの拡張するタイミングが遅すぎる」状況となります。

ねこ先生
もう少しだけ、拡張するタイミングを速くして見よう。

また、この少しの「遅れ」で以下のような状態になる可能性があります。

 

拡張のタイミングが遅れた場合
冠動脈血流量の減少

 

すいる
うーん、タイミングって大事なんだな…。

 

問題2

 

バルーンの拡張および収縮のタイミングは適切でしょうか?

アシストなし波形

すいる
ん?ん?あれ?
ねこ先生
どうだ?タイミングは正しいか?
すいる
うーん?これ、波形がおかしくないですか?というか、バルーンというかIABP本体は動いてます?
ねこ先生
そう、その通りだ。実はこれ、IABPが動いていないんだ。
すいる
ええー!?ひっかけ問題だー!!!

この問題は「IABPが動作していない」状況となります。

実は、意外とこういうのを覚えておくのは必要なことなのです。

すいる
どうして?

少し状況は変わりますが、拡張・収縮する回数を調整する「アシスト比」によっては、これに近い波形になります。

また、押したつもりの「スタート」ボタンを押していなかった…。
なんて、状況も。

すいる
そんなことあるの?絶対にないよ!
ねこ先生
世の中に絶対なんて言葉はない。動いていると思っている機械が、ちゃんと動いているのかどうかを見極める力も必要だ。
すいる
う…。ちゃんと勉強します…。

 

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最後に

 

今回は補助循環装置のひとつであるIABPの「バルーンの拡張・収縮のタイミング」についてお話しました。

初めてIABPを使用する際に、頭を悩ますポイントのひとつではないでしょうか。

ゆっくり深呼吸して、慌てずに行動したいですね。

 

要チェック!

補助循環装置「IABP」の基礎まとめ!適応から抜去方法までサラッと学ぶ

 

ぜひ参考にしてください。

 

ではでは、またいつか逢う日まで…。

すいる
キカイガキライでした。バイ!

 

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