キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
補助循環装置のひとつに、大動脈バルーンポンピング:IABPがあります。
今回は、IABPへの不安を感じているスタッフのために、現役の臨床工学技士が基本の「キ」をサクッと教えちゃいます。
ではでは、今回もはりきっていきましょう!
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ここで記載している事項は、あくまでひとつの参考にして頂けると幸いです。
この記事によって起きた事故等におきましては、一切の責任を負いかねます。
大動脈バルーンポンピングとは?特徴は?
それではIABPについて見ていきましょう。
英:intra-aortic balloon pumping
心臓の動きに合わせて、バルーンを拡張・収縮させる。
心電図・動脈圧波形に同期させバルーンを動かし、種々の効果を得る。
一番の特徴として以下のことが挙げられます。
特徴
- 心臓に対して圧力による補助を行う。
- 冠動脈血流量の増加や平均動脈圧の上昇、後負荷軽減などの効果がある。
キーワードは、「冠動脈血流量の増加や平均動脈圧の上昇、後負荷軽減などの効果がある。」が大いに関係するようです。
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IABPの効果
キーワードに挙げられた「冠動脈血流量の増加や平均動脈圧の上昇、後負荷軽減などの効果がある。」について見ていきましょう。
まず、IABPの効果について見ていきます。
効果
- 冠動脈血流量の増加
- 平均動脈圧の上昇
- 後負荷の軽減
- 心仕事量の軽減
- 心筋酸素消費量の減少
バルーンの拡張・収縮するタイミングと効果
先ほどご紹介したIABPの効果は、適切なバルーンのタイミングあってこそのものとなります。
以下に、心臓とバルーンの拡張と収縮のタイミング、それに伴うぞれぞれの効果を説明していきます。
バルーンが拡張するタイミング
また、バルーン拡張時により得られる効果は以下の通り。
- 冠動脈血流量の増加
- 平均動脈圧の上昇
バルーンが収縮するタイミング
また、バルーンの収縮時により得られる効果は以下の通り。
- 後負荷の軽減
- 心仕事量の軽減
- 心筋酸素消費量の減少
「タイミング」の詳しい説明は下の記事で復習しましょう。
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IABPの適応・禁忌
では、IABPはどのような病態が適応と考えられるのでしょうか。
適応
- 心原性ショック
- 難治性心室性不整脈
- 急性冠症候群
- 心筋梗塞による機械的合併症
など
次にIABPの禁忌を見ていきましょう。
禁忌
- 重症大動脈閉鎖不全症
- 大動脈解離・胸部腹部大動脈瘤
- 高度な閉塞性動脈硬化症
など
最後に
今回は補助循環装置のひとつである「IABP」についてお話しました。
IABPの適応・禁忌を知り、どんな動作をし、どんな効果があるのかを理解しておきましょう。
ただし、IABPの機械ばかり見ててはダメです。
あくまで装着された方を中心に物事を見ていきましょうね!
要チェック!
ぜひ参考にしてください。
ではでは、またいつか逢う日まで…。
お久しぶりです。
誠に勝手ながらいつもブログの方拝見させていただいています。
IABPについて2つご質問があります。
1つ目はIABPとPCPSの併用についてです。すいる様のご施設ではPCPSの症例ではIABPも併用するでしょうか。
2つ目はPCPSとIMPELLA2.5の併用についてです。また、どのような基準でIABPとIMPELLA2.5を使い分けているでしょうか。
お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
お久しぶりです、筋斗雲さん
早速ですが質問に答えたいと思います。
1つ目
当施設では、正直PCPSの症例が非常に少ないです。
ですので、併用というのは私自身経験がありません。
(そもそも、私がPCPSにあたりません…。)
2つ目
IMPELLA2.5も使用したことがありません。
以上。
と言うと、非常に寂しいので、私が所属している「CEぷらす」のメンバーにPCPSとIMPELLA2.5についての質問を挙げました。
以下、引用文です。
ECMOはもちろん循環と呼吸補助、IMPELLAは肺うっ血防止用のLVベントとしてうちは使用しています。
とのことです。