キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
人工呼吸器を使っている時に、SpO2をモニタリングしていますか?
じゃあ、ETCO2も一緒にモニタリングしてますか?
じゃあなぜ、2つを同時にモニタリングしているかわかりますか?
今回のお話は、人工呼吸器のモニタリングで大切なETCO2の基礎についてお話します。
なぜSpO2とETCO2を同時にモニターしているのか?
これについて知識を深めていきましょう。
ETCO2の基礎はコチラ!
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ETCO2とは
まず初めに、ETCO2とは何ぞやという所から。
呼気中の呼気終末二酸化炭素濃度(分圧)の意。
測定方法には「メインストリーム」と「サイドストリーム」があります。
それぞれの測定方式についてはコチラ!
ETCO2を測定することにより、患者さんの換気状態を評価する指標になります。
また、呼気中の二酸化炭素濃度をグラフで表示したものを「カプノグラム」といいます。
ETCO2を測定する医療機器を「カプノメーター」と呼び、SpO2を測定する医療機器を「パルスオキシメーター」と呼びます。
SpO2の測定値が100%で安心していませんか?
要チェック!
ガイドラインで推奨されているETCO2の測定
指針ってご存知ですか?
指針とは
指針には法律などにも関係する意味で「ガイドライン」と呼ばれるものがあります。意味は指針と同じで、ガイドラインの場合は政府や団体が指導方針として示す大まかな指針や指導の目標、基準となる目安などを示すものです。
※Mayonezより引用
よく臨床の現場ではガイドラインがどうとか、エビデンスがどうとかの話が出ていますよね。
それが日本語になったイメージですね。
では、話を元に戻しまして…。
日本呼吸療法医学会の「人工呼吸器の安全使用のための指針第 2 版 」では、以下のようになっています。
心電図、呼吸数、パルスオキシメータによる経皮的酸素飽和度が連続的にモニタリングできること。呼気二酸化炭素濃度は連続的にモニタリングできることが望ましい。
※人工呼吸器の安全使用のための指針第 2 版より引用
どうやら、ガイドライン上においてETCO2はモニタリングしていることが望ましいようです。
そういう方にこそ、次の項から見てもらいたい。
ETCO2とSpO2の測定原理
では、ETCO2とSpO2の測定原理について、簡単に説明したいと思います。
ETCO2は先ほど少し出ましたメインストリーム方式とサイドストリーム方式という測定方法によって、CO2をモニタリングしているとお伝えしました。
まあ、つまりCO2に赤外線を当てて測定しているんです。
CO2がなかったら測定できないってことです。
また、呼吸機能に問題がない場合はETCO2とPaCO2はほぼ近似値となります。
また、SpO2は以下のような測定をしています。
血液中のHbは酸素との結合の有無により、赤色光と赤外光の吸光度が異なるため、センサーで透過光や反射光を測定して分析することによりSpO2を測定することができます。
ここで注意なのが、動脈の拍動が検知できない状態においては測定ができないという点です。
「酸素化」のSpO2と「換気」のETCO2
ここで、パルスオキシメーターを用いてある実験をして頂きたいと思います。
方法は簡単!
パルスオキシメーターを装着してから息ごらえをしてもらいます。
今回の実験でわかって頂きたいことは、SpO2の値というのはすぐに下がらないということ。
頑張って、頑張ってやっとSpO2の値が変化するんです。
ある意味で広義の「酸素化のモニター」ですね。
ではETCO2はどうでしょうか?
先ほども少し触れましたが、ETCO2はCO2が無くなった瞬間モニターは感知できなくなってしまいます。
ある意味で広義の「換気のモニター」ですね。
ETCO2とSpO2のふたつを同時にモニターする理由
これが何を意味するのか?
ここで本題である、何故「ETCO2とSpO2を同時にモニターしているのか?」について考えていきたいと思います。
即座に数値の変化を見れるETCO2
これを分かりやすく図に示したのがコチラです。
ここで自発呼吸が全くない方が、人工呼吸器を装着している最中に誤って気管チューブから人工呼吸器が外れてしまった場合を想像してみましょう。
SpO2の値だけで、人工呼吸器が外れてしまったことをすぐに察知できますか?
今までの話をまとめると、すぐには鳴らなさそうですね。
では、ETCO2ではどうでしょうか?
決して、接続出来ていないことだけを察知するためだけではありませんが、上記のように「しっかり気管に入っている」のかという確認のための恩恵はあると考えられます。
このケースと似たようなシチュエーションが、気管チューブの閉塞や無呼吸状態です。
ETCO2とSpO2の違いを理解できたでしょうか?
最後に
今回はETCO2の基礎として、「ETCO2とSpO2の違いとそれぞれの特徴」について説明しました。
酸素化不良をパルスオキシメーターの値が下がって処置するのでは、結構大変なケースもあります。
秒単位でETCO2をモニタリングしてくれるカプノメータの存在はありがたいですね。
今回ご紹介したETCO2は、気道にしっかり入っているのかなどといったこと以外に、さまざまな指標を表すモニターとしても活躍してくれます。
それはまた別の機会にお話しますね。
要チェック!
ではでは、またいつか逢う日まで…。
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