キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
非挿管型人工呼吸器にNPPVと呼ばれる非侵襲的陽圧換気療法があります。
このように感じることはありませんか?
機械のスタート/ストップも簡便な機種が多く、院内から在宅まで幅広く使用されることの多い「NPPV」。
今回は、現役の臨床工学技士がNPPV導入時に必要な説明のポイントについてお伝えします。
ではでは、今回もはりきっていきましょう。
要チェック!
ここで記載している事項は、あくまでひとつの参考にして頂けると幸いです。
この記事によって起きた事故等におきましては、一切の責任を負いかねます。
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NPPV導入時になぜ声かけが必要なのか
この項では、なぜNPPV導入時に声かけが必要なのかを考えていきましょう。
以下に、興味深いデータを引用します。
対象は29名で,内訳は観察期間中の継続中止が19名(66%),死亡が5名,CPAP継続中が4名,追跡不能が1名でした.NPPVの継続期間の中央値は,13ケ月(1~53ケ月)と1年程度でした.(中略)継続中止の原因は,呼吸器感染(9名),呼吸不全(4名),CPAPマスクの不快感(3名),CPAPによる窒息感の出現(2名),頻尿(1名)でした.CPAPによる窒息感は,経過の途中からを出現し, 2名のうち1名で喉頭内視鏡検査が行われ,floppy epiglottisを確認しました.
※「多系統萎縮症に対するCPAP療法の継続期間に関する検討より引用
導入時に注意すべきポイント
それでは、NPPV導入時に必要な声かけについて一緒に見ていきましょう。
あなたも、このような装着の仕方をしていませんか?
これでは、患者さんにとって「なぜこのマスクを使わなくてはいけないのか」、「なぜこんな思いをしなくてはいけないのか」が全然わかりませんね。
以下は、私がNPPV導入時に留意しているポイントです。
ポイント
- 自分は何者なのか
- 今から何をするのか(目的など)
- どんな機械なのか
- マスクからの送気を感じてみる
- 実際に装着してみる
- 使用してみてどうだったか
- マスクフィッティングの調整
それぞれについて見ていきましょう。
また、NPPVを使用する患者さんは「意識があり、認識が可能」な状態を想定しています。
自分は何者なのか
まずは、私が何者で、どんなことをしているのかを自己紹介していきましょう。
まずは、自分自身が何者なのかを明確にしましょう。
今から何をするのか(目的など)
NPPVを使用して、今からどんな流れでどんなことをするのかを簡潔明瞭に説明します。
どんな機械なのか
NPPVを使用する目的を説明した後は、どのような医療機器を用いてNPPVを実施していくのか、実機をお見せして説明していきます。
マスクからの送気を感じてみる
次に、NPPV本体を実際に動作させ、どのような強さの風が来るのかを体感してもらいます。
実際に顔に装着してみる
マスクからの送気を体感したあとに、マスクをベルトで固定せずに顔に当てて体感してもらいます。
使用してみてどうだったか
マスクを装着したあと、1-2分してから送気を止めてみます。
マスクフィッティングの調整
NPPVへの理解を深めた後に、マスクのベルト固定を調整していきます。
コチラもチェック!
NPPVのメリット・デメリット・適応は?
NPPV導入時に患者さんへしっかりと説明するには、確実にNPPVについての知識がないといけません。
下記に、適応からメリット・デメリットを「少し」だけお見せします。
NPPVの一般的な適応はコチラです。
適応
- 意識がよく協力的である
- 循環動態が安定している
- 気管挿管が必要ではない:気道が確保できている。喀痰の排出ができる
- 顔面の外傷がない
- マスクをつけることが可能
- 消化管が活動している状態である(閉塞などがない)
※NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドラインより引用
これらに適している場合に、NPPVの適応であると考えられます。
詳しくは下の記事を参考にしよう。
要チェック!
導入後のフォロー・コミュニケーションはとても大切!
個人的には、NPPV導入後のフォローやコミュニケーションは必要不可欠なものと考えています。
装着して終わりではなく、装着したあとのフォローやコミュニケーションが非常に大切だと感じています。
NPPVを使用されている方とは、積極的にコミュニケーションを取るように心がけています。
マスクの部分痛くないですか?
風が目のところに当たりませんか?
こんにちは、〇〇です!使っている人にしかわからない、思わぬポイントが見つかることも。
できるだけ、質問攻めにしないようにしています😅— すいる🐗院生臨床工学技士(仮) (@me_swill) 2019年3月17日
最後に
今回は「NPPV導入時に必要な説明のポイント」についてお話しました。
しっかりと、患者さんとの対話を実施しながらNPPVを実施していきたいですね。
お互いのコミュニケーションを育むことで、たとえ在宅でNPPVを使用することになったとしても、スムーズに移行できると考えています。
要チェック!
ぜひ参考にしてください。
ではでは、またいつか逢う日まで…。
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