キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
前回、医療機器管理の基礎として「シリンジポンプ」についてお話しました。
前回のシリンジポンプの記事はコチラ!
今回は、もうひとつ基礎的な内容についてお話したいと思います。
原理と銘打ってますけど、今回の記事はシリンジポンプを使用するにあたって、気を付けるべき2つの事項を取り上げています。
はっきり言います。
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サイフォニング
シリンジポンプを取り扱う際の注意事項として、「サイフォニング」があります。
サイフォニングとは
シリンジ装着不良や落差、回路の陰圧が組み合わさって発生する急速注入のこと
シリンジポンプの位置と注入部位との落差が大きく、また、シリンジがしっかり装着されていなかった場合、落差で薬液が注入されてしまいます。
前回の記事でお話した内容から考えると、非常に怖い現象です…。
では、怖いサイフォニングが発生しないようにするには、どうすればいいのでしょう?
対策事項について見ていきましょう。
サイフォニング対策
そう!鋭い方は、もうおわかりですよね?
実は、もう答えはお伝えしてるんです。
先ほど、私が記載した下記の事項。
シリンジポンプの位置と注入部位との落差が大きく、また、シリンジがしっかり装着されていなかった場合、落差で薬液が注入されてしまいます。
では、ひとつずつ。
シリンジポンプの位置と注入部位との落差が大きい
落差があるために急速注入が発生するならば、患者との落差をなくしちゃいましょう!
シリンジポンプがしっかり装着されていない
仮に急速注入されてしまう環境であっても、シリンジが機械にしっかり装着されていれば、サイフォニング抑止につながります。
当院では、患者への使用環境やシリンジの装着、動作確認などの項目を、チェックリストを用いて安全に使用できるよう努めています。
このサイフォニング対策を行うことで、患者への意図しない急速注入を防ぐことが出来ます。
シリンジポンプの開始前後に、改めて動作確認や使用環境の確認を行っていきましょう!
閉塞特性
次に、シリンジポンプの閉塞特性についてお話します。
今頃何言ってんだと思われる方もいるかと思いますが、シリンジポンプにおいて閉塞特性は、ぜひとも知ってもらいたい事項です。
まず、下記の事項について考えて頂きたい。
- シリンジポンプはどんな薬剤を使用していますか?
- シリンジポンプはどれだけの流量で使用していますか?
一緒に考えていきましょう。
前回の記事で、参考程度にお見せしたあの図。
シリンジポンプで投与すべき注入速度は、「10mL/h」というラインがあることをお伝えしました。
10mL/hを下回る微流量で注入すると、どういった現象が発生するのだろう…。
閉塞が発生していても、警報がなるまでに時間がかかる。
この表はテルモ社製のTE-331S/332Sの閉塞特性を示したものです。
閉塞圧設定が高くなるにつれ、閉塞警報までの時間が大きくなります。
また、閉塞解除後のボーラス量も増加していることがわかります。
つまり、閉塞が発生している間は、薬剤が注入されていない可能性があるということ。
微流量で投与するシリンジポンプの特性を考えると、閉塞って怖いなーと感じます。
血管への刺入部でのトラブルも含めて、シリンジポンプ開始前後または動作中の確認は必須だと考えます。
輸液ポンプの原理はコチラ!
最後に
今回はシリンジポンプの原理と題しまして、使用上の注意事項として「サイフォニング」・「閉塞特性」についてお話しました。
どちらも、シリンジポンプの開始前後や動作中の確認を行えば、未然に防ぐことが出来るものばかりです。
シリンジポンプの特性を理解し、臨床現場で安全に使用できるよう努めましょう!
ではでは、またいつか逢う日まで…。
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