キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
院内において、「輸液ポンプ」と並んで使用頻度の高い医療機器のひとつに「シリンジポンプ」があります。
コチラも前回の「輸液ポンプ」の項と同様に、使用頻度の高さから新卒で入職した臨床工学技士に、医療機器の基礎として触れてもらっています。
コチラもチェック!
今回はシリンジポンプについてお話します。
はっきり言います。
輸液ポンプとシリンジポンプとの違い
シリンジポンプは、その名の通りシリンジに入った薬剤を送液する機械です。
シリンジポンプ(syringe driver)とは、点滴静脈注射を施行する際に利便性と安全性を高めるために使用される医療機器であり、輸液ポンプより少量で、より正確な輸注を必要とする際に使用する。
※Wikipedeiaより引用
そもそも輸液ポンプとは大きく目的が異なり、微流量投与に適した医療機器。
ここで注目すべきは、流量精度。
以下は下の記事から抜粋した重要なキーワード。
輸液ポンプが±10%なのに対して、シリンジポンプは±3%。
要チェック!
ハイリスク薬はシリンジポンプで
では、一体どんな薬剤がシリンジポンプで使われるのでしょうか?
施設の考え方や、人員など、ハード面が異なるため、一概に「コレにしましょう!」とは言えません。
ここで、注目すべき点は投与速度が「10mL/h」を下回ると、シリンジポンプの範疇になるという点です。
先ほど示しました、「シリンジポンプの流量精度±3%」という優れた輸液性能が、ハイリスクな薬剤に適しているという所以です。
シリンジポンプの各部の名称
さて、ここは基本に立ち返って、シリンジポンプの各部の名称を見ていきましょう。
どの医療機器もそうですけど、各部の名称を知らないと話になりません。
実際に、ここで私と後輩とであったヒトコマをご紹介します。
ダイアルがわからず、丸いクルクル回すやつと表現していました。
別に、身内ならいいと思います。
でも、それが、看護師などのコメディカルや医師、はたまた患者に同じようなことに言えますか?
ときどき、私自身が医療機器のことを理解してもらうために、わざとかみ砕いた表現として使用することはあります。
いやあ、教育って難しですね。非常に難しい。
後輩の成長を促せる先輩といたいと考えます。
コチラもチェック!
シリンジポンプ使用時の注意点
以下に、シリンジポンプ使用時の注意点を記します。
注意点
- 指定されたシリンジを使用する。※流量精度異常・誤警報につながる
- 重力式点滴(落差での調整)との併用は行わない。
- 気泡検知センサーは搭載されていないため空気の混入を検知できない。
- シリンジの押し子・つばが本体にセットされていることを確認する。※サイ フォニング現象の可能性
- シリンジポンプと注入部位との落差を小さくしてセットして 下さい。※サイフォ ニング現象防止
輸液ポンプとは、また違った注意点があります。
輸液ポンプ、シリンジポンプそれぞれの特性や注意点を理解して、臨床に活かしていきましょう!
最後に
今回は、「シリンジポンプの違い」についてお話しました。
日常的に使用している医療機器になりますが、使用頻度が高いからこそ、原点に返ることが重要だと考えます。
原理と謳っていますが、どちかというと流量精度の話になりましたね。
原理については、iryoukiki.me 臨床工学技士(@iryoukiki_me)さんのブログがとても役に立ちます。
参考 シリンジポンプ使用方法・使用時の注意点。復職の看護師さんも参考にして下さい。看護師さんが知らないと損するコツを臨床工学技士が伝授します
ぜひ参考にしてください。
今回のお話は続き物。
ではでは、またいつか逢う日まで…。
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