キカイガキライ

中堅MEの戯れ言

【やりがち】Spo2 100%の意味を考えてみたことある?

time 2018/05/25

【やりがち】Spo2 100%の意味を考えてみたことある?

どうも、クソキカイガキライMEブロガーswill(@me_swill)です。

 

よくあるベッドサイドでのある一コマ。

swill
よし、この患者さんのSpO2 100%だから問題なし!。んじゃあ、次は血圧を…。

当院でよくある光景です。

 

他にも人工呼吸器を装着した際も、とりあえずSpO2を100%に持って行く酸素濃度の設定。

装着した直後ならまだしも、ずーっとFiO2(吸入気酸素濃度)90-100%ってどうなん?ってツッコんでも、医師や看護師は?マーク。

 

今回は高濃度の酸素を投与し続けたらどうなるのか?

目指すべきSpO2の値はどこなのか?

 

これらのお話です。

swill
バイタル見るのなら呼吸回数も必ずみましょうね。

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必要以上の酸素は「いらない」

 

呼吸不全患者には必要不可欠な酸素。

現在の医療には必要不可欠でメリットもでかい酸素になりますが、必要以上の酸素を投与しすぎるとデメリットにもなります。

高濃度の酸素を投与し続けると、酸素が逆に毒になるという、人体に影響を及ぼす状態になっていきます。

swill
ひとつずつ見ていきましょう!

 

吸収性無気肺

 

通常の呼吸の場合、肺胞で毛細血管に酸素が取り込まれ、毛細血管との間で拡散が行われても、肺胞内には窒素が残るため、肺胞は虚脱しません。

しかし

高濃度の酸素を投与し続けると、窒素が酸素と入れ替わってしまい、肺胞内の酸素が拡散によって血管内に吸収されると、肺胞内ガスがなくなり、肺胞が虚脱しやすくなり吸収性無気肺が発生します。

 

酸素中毒

 

生体は酸素を取り込む酸化還元反応により、毒性のある活性酸素(フリーラジカル)を作ります。酸素中毒の主な要因として、この活性酸素による細胞・組織の障害が挙げられます。

活性酸素は、体内に入った細菌などに生体防御が働く抗酸化防御機構という機能を持つ反面、活性酸素がこの抗酸化防御機構を超えて増加すると、化学反応などを起こし、細胞や組織が障害されます。

肺への影響

  • 酸素化能の低下
  • 肺のコンプライアンスなどの低下など

高濃度の酸素50%以上を長時間吸入することで、この活性酸素が増加し障害を起こす反応が多くなります。

 

CO2ナルコーシス

 

COPD(慢性閉塞性肺疾患)や気管支喘息などの疾患に、高濃度酸素を吸入を行うことで呼吸中枢への刺激がなくなり、呼吸抑制が起こります。

CO2ナルコーシスの3徴

  • 重症呼吸性アシドーシス
  • 意識障害
  • 自発呼吸の減弱

これを避ける為に、特にCOPD患者への目標SpO2を88-92%と程度低めに設定し、低流量の酸素投与を行います。

 

swill
むやみやたらに酸素投与すると、いろいろデメリットもあるんだな。気を付けよう。

 

SpO2 100%管理は必要か?

 

酸素投与によるデメリットをお話しました。では、どのような管理をしていくべきなのでしょうか?

皆さんご存知の酸素解離曲線を見ていきましょう。

ここで気を付けるべき点は、SpO2 100%のときのPaO2の値です。

よく教科書にSpO2 100%の時PaO2 100mmHgという関連性を持った書き方。

これを勘違いして、常に酸素管理をSpO2 100%を目標にしている印象を受けます。

これは間違い。

実は、SpO2 100%はPaO2でいうと100-500mmHgとすごく広い範囲になるんです。

これが何を意味するのかというと、PaO2 500mmHgから100mmHgへ落ちたとしても、SpO2の値は変わらず100%のままであるということ。

これだけPaO2が落ちるということは、何かしらの状態に陥っていることが考えられますよね?

 

モニタを信じて患者の急変に気付くのが遅れる可能性があります。

swill
これはまずいですねぇ…。

 

目標とするSpO2の値

 

では、どこに目標とするSpO2の値を設定すべきなんでしょうか?

酸素投与ガイドラインでは、成人急性期患者に対しSpO2 94-98%を目標に管理することが推奨されています。

この値であれば、患者の状態が変われば即座に対応出来ますね。

swill
人工呼吸管理においても、この値を目標とすれば管理しやすくなる!

最後に

 

今回は酸素投与の危険性と目標とすべきSpO2の値についてお話しました。

つい臨床でありがちな持続した高濃度の酸素投与。デメリットを知って、酸素の特性を活かしたいところですね。

とかいう私も、なかなか高濃度酸素投与移行からの減量は、いつも足踏みしてしまいます。難しいっス。

常に患者さんとのコミュニケーションやバイタルなどのデータを看ながら、関わっていきたいですね。

 

勉強することを辞めたら、そこで終了ですよ。

どうか、日々の勉強は絶やさないで下さい。

 

これからも、よろしくお願いします。

クソキカイガキライMEブロガーswill(@me_swill)でした。

 

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自己紹介

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臨床工学技士として、入職し早10数年。インプットは増えども、アウトプットは増えない。 20代30代に出来ることをやっとかないと、40歳以降が本当に怖い。 何でも自分のプラス材料になると考え日々奮闘中です。

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