キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
NPPVを使用するにあたって1番大事なのは、NPPVを使用することでどれだけ患者のアドヒアランスの向上を得られるかです。
病気に対する治療方法について、患者が十分に理解し、服用方法や薬の種類に十分に納得した上で実施、継続することを指す
※看護rooより引用。
どの治療にも言えますが、患者も十分に納得しなければ、最大限の治療効果は得られにくいです。
それはNPPVを使用する場合も同じ。
なぜ、こんなに風が来るマスクを、一日中しなくちゃいけないのか?
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
こう思われると、治療効果がなかなか期待できるものに到達しない…。
臨床工学技士として、マスク使用中にできるだけ快適に過ごして頂くかが、ひとつのキーポイントになるかと思います。
それだけ、マスクフィッティングの重要性は治療を継続する上で非常に高いもの。
今回は、重要なNPPVのマスクフィッティングの基礎についてお話します。
NPPVの基礎についてはコチラから。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/05/NPPVの基礎-160x92.jpg)
見たい項目をClick!
NPPV導入時
それでは、基本的なマスクフィッティングについて説明していきます。
※出典元 帝人在宅医療
基本的には在宅でも使用出来る様になっており、そんなに難しくはないはずのマスクフィッティング。
患者が在宅に行かれるようになった頃には、ある程度の締め方や強さを習得しているかと思います。
NPPV導入当初は、「締め方の加減や締め方がわからない!」や「顔の形により、サイズや種類も考慮しなくてはいけない…。」など問題はいっぱい。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
では、そんな時にどのように対応していけばよいのでしょうか?
声かけ
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
なんて言われる方もいらっしゃるかと思います。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
でも、最初に勤めていた病院で出会った一人の研修医のある行動で、私の考えは大きく変わりました。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/12/kid_job_boy_isya_kagakusya.png)
丁寧に説明して導入するとすごく受け入れがよかったんです。
ちゃんとした声かけひとつでここまで変わるとは…。それを経験した20代前半。
声かけはとても重要!
![NPPV導入時の説明 新人スタッフ 押さえておきたい7つのポイント](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2019/04/NPPV導入時の説明-新人スタッフ-押さえておきたい7つのポイント-1-160x160.png)
今では、マスクを装着する前に「どんな治療法なのか」・「NPPVをすることのメリットデメリット」などを、要点をかいつまんで患者さんに説明しています。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
顔を見る
次に患者の顔を見ます。
チェック
- 顔の大きさ
- 鼻の高さ
- あごの大きさ
- 入れ歯の有無
などなど。
また、当院ではマスクの種類を以下のように選定しています。
- 急性期:フルフェイス・トータルフルフェイス
- 慢性期:ネーザルマスク・フルフェイス
おおよそのサイズの目安が付いたら、マスクを患者の正面から当てていきます。
リークを出来るだけ少なくする為に、最も患者に合う最小のサイズでフィッティングをします。
この時、患者と意思疎通が図れるなら、患者が継続出来そうなマスクに患者さんと話しながら決定していくのもいいかと思います。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
マスクの大きさを決める際に以下のポイントに注意していきます。
チェック
- 大きすぎる:リークが大きくなり不快感が上がるかも
- 小さすぎる:きつく締めすぎて褥瘡になる可能性かも
ある程度のサイズが決まればフィッティングを始めていきます。
装着する
では本題のフィッティングです。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
先ほど声かけが重要と言いました。
もう一度、実物のマスクを見せたり顔に当てたりし、患者にマスク装着の協力を促します。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
この際、実際に顔を装着してもいいのかもしれません。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
NPPVを実際に動かし、時間の猶予があるならばマスクからの送気をまず患者さんの手で実感してもらいます。
どれだけの風が来るのかを体験してもらいます。
次にマスクを顔に装着していきます。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
手で実感し、顔でも実感してもらう。
これが今後の継続にとって必要だと考えています。
風にある程度慣れてもらってから、機械が送る風に合わせてゆっくり呼吸するように伝えます。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
やっぱり声かけが一番重要!
マスクフィッティング
では実際にマスクフィッティングをしていきます。
※出典元 帝人在宅医療
マスクと顔が平行になるよう、そっと顔に当てていきます。
次にストラップを締めていきます。
患者の真正面を見ながら、ストラップを締めていきます。
※出典元 帝人在宅医療
ある程度締めた後は、横からマスクが顔と平行になっているのがしっかりと確認します。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
マスクによっては、マスクの高さを可変できる種類もありますので、状態を見ながら調整します。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
顔とマスクが平行に出来なければ、顎方向からリークした風が出るように調整してみましょう。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
圧迫感・リーク量を確認
実際に装着した後は患者に聞いてみます。
チェック
- マスクが強く当たる場所はないか?
- 痛くないか?
- 大きさは?
- 風は目に当たらない?
- 音は気にならないか?
などなど。
また、実際にNPPVを作動させ、リーク量がどれだけあるのかを確認。
数値で言うと「10-20/30/min」を目安にします。
リークありきの治療法なので、ある程度のリークは機械の方が勝手に補正してくれます。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
リークをしてはいけないという「強迫観念」があったりするので、看護師さんに十分な説明をしていきましょう!
ストラップの締め方
マスクのストラップの締め方でよくあるのが、患者の「後頭部方向に締めていく」やり方。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
※出典元 帝人在宅医療
オススメするのが、後頭部方向ではなく、図のように「横」に引っ張る。
重要なことなのでもう一回言います。
横
横に引っ張ることで、「締めすぎ防止」や「調整」がしやすくなります。
また、患者さんに確認しながら、ある程度の調整が出来たらどこまで締めたかを、ストラップの位置で覚えておきしょう。
止めた位置を覚えておきながらストラップを留めていきます。
これでケアなどで外しても、止めた位置を目標にサッと装着することが期待できます。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
ストラップを締めたら、患者の真正面から見てマスクがずれていないか、横から見て顔とマスクが平行になっているかを再度確認します。
NPPVの基礎についてはコチラから。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/05/NPPVの基礎-160x92.jpg)
褥瘡か見定めが必要
マスク装着後は接触部に褥瘡が出来ていないか確認をしましょう。
よくあるのが、マスクをきつく締めすぎて褥瘡が出来てしまうパターン。
これだけは何とかして回避したい所です。
初期の頃は非常に見分けがしにくいので「マスクを外して30分以上経過しても皮膚が赤くなっていたら」圧迫による褥瘡の可能性があります。
褥瘡の可能性が見られたら、ストラップの調整や皮膚保護材の使用を検討するのもひとつの手かと。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
最後に
今回は「NPPVのマスクフィッティング」についてお話しました。
NPPVのマスクフィッティングは治療に関わる重要なファクターです。
声かけから導入までの流れが非常に大切です。臨床工学技士として、NPPVの継続に貢献していきましょう!
要チェック!
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2019/02/forevefragrance.com-1-160x92.png)
ではでは、またいつか逢う日まで…。
![](https://ce-swill.me/wp-content/uploads/2018/10/swillicon.jpg)
コメントを残す