キカイガキライ管理人のすいる(@me_swill)です。
ある日、循環器病棟の看護師から、こんなことを言われたことがあります。
看護師からこんなことを聞かれるとは思わなかったので、とても驚いた記憶があります。
話を聞くと、ACLSの講習でその話がたまたま出たそうです。
皆さんは、今働いている病院の除細動器の特徴を言えますか?
とっさに使う除細動器を、ちゃんと点検していますか?
今回は除細動器の基礎について少し触れます。
現場では「DC」と呼ばれている除細動器
除細動器の原理は皆さんご存知ですよね?
心室細動,無脈性心室頻拍などの致死性不整脈や,心房細動,心房粗動,発作性上室性頻拍,心室頻拍などの頻拍性不整脈に対し,これらを洞調律に復帰させることを目的として直流通電する方法をいう。
※日本救急医学会より引用
この直流電流を英語で表記すると
この頭文字を取って、除細動器のことを現場ではDCと呼んでいます。
私が新卒で現場に出た時に、このDCの意味がわからずにすごく怒られた経験があります。
学校じゃ「除細動器」のことは「除細動器」って教えてましたよね?
でも、現場ではDCと呼ぶ。
新卒の時に、すごくショックを受けたことは今でも忘れません!
除細動器だけにショック…。
除細動を行う前に気を付けること
教科書的には、除細動をする前に気を付けるべきこととして以下のことを挙げています。
ポイント
- 金属類を身に着けていないか確認する
- 心電図電極や貼付薬などを取り除く
- 胸毛が多くないか、多ければ除毛する
などなど、確認していきますよね。
でも、ここら辺は教科書を見ればわかること。私は現場の目線から気を付けるべき事項をお伝えします。
さあ、目の前にVFの方がいますよ!
DCを持ってこなくちゃあいけない!
除細動器を持ってくる時に、ぜひとも確認してください。
意外と自分の病棟の除細動器の場所は知ってるけど、他は知らないって方は結構います。
除細動器もそうですが、AED(自動体外式除細動器)も合わせて知っときましょう。
院内のどこにあるのか、マップを作製している施設もあるようです。
無事に除細動器を持ってきて、次にやること。
慌てない
これが一番難しいかもしれません。
だって、目の前にVFの人がいますからね。これは大変、一大事。
私の体験したことなんですけど、イニシアティブを取っていた医師が舞い上がってしまい、除細動器のパドルを本体から外せずにパニックに陥っているのを目撃したこともあります。
また、「慌てない」ということから話が逸脱しますが、医師経験が20-30年と超ベテランの医師でも、初めて除細動器をするという人もいます。
こういう時こそ、臨床工学技士の出番ですね。
慌てず、しっかりと技術提供を出来る環境を整えておきましょう!
臨床工学技士の視点から言えば、あとひとつ。
除細動器がちゃんと電源と繋がっているのか確認してください。
除細動器にもよりますが、充電時間が電源接続とバッテリーでは時間が違います。
一刻を争う場面では、ぜひ電源接続になっているのか確認してください。
事が済んだ後もやることはある
除細動をしたことでどのような結果になったにせよ、臨床工学技士としてやるべきことがあります。
後片付け
こ後片付けは、施設に依るところもあるかと思います。
でも、ここは率先して臨床工学技士がやって頂きたい!
なぜか?
他の医療機器と同様に、「使用後点検」を行うことで、安全にスムーズに使用することが出来るからです。
では、具体的にどんな事項を見ていけばいいのでしょうか?
もしかしたら、臨床工学技士がいない施設もあるかと思います。
最低限この事項を見ていきましょう。
チェック
- 使用した物品の補充
- 電源への接続
- パッドの汚れの除去
この3項目は見ていくべきです。
意外と忘れてしまう、パッドに付いたゲルをすぐに拭き取らないと、カピカピに…。
パッドに付いたカピカピのせいで、電気エネルギーの損失につながります。
明日にでも確認してみましょう!
最後に
今回は除細動器の実際について基礎的な事項についてお話しました。
除細動器の基礎的な事項については、教科書を読めば十分かと思います。
じゃあとばかりに、今回は趣向を変えまして現場ならではの内容にしてみました。
現場で働く方たちにとっては、本当に当たり前のことばかりで面白みに欠けるかもしれません。
ですが、当たり前のことを当たり前のように「シラー」っと実施するのも必要なことですよね?
ではでは、またいつか逢う日まで…。
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